聖山カイラス

グゲ遺跡に近いツァンダの町を出ること10時間。山を越え、谷を越え、道も何もない草原を突っ走り、カイラス山の麓にある町タルツェンにやっとたどり着きました。
カイラスは標高6656ｍ、仏教やヒンドゥー教ボン教などの聖山とされている山で各地から巡礼者が絶えません。巡礼者はカイラスの山の周り約52kmを回る(コルラという）のです。宗教によって回る回数が違うようで13周とか9周とかあるようですが、私は3度回ろうと決めていました。
どうやらラッキーナンバーらしいので＾＾

初日にたどり着いたカイラス山北面はすばらしいその姿を見せてくれました。午前10時半くらいに出発して、ここに着いたのは夕方だったかな？ちなみに2週目、3週目にはこんなにはっきりと頂上までは見ることができなかったので、よっぽど運がよかったんでしょうね。
まさに神の山です。

2日目に越えたドルマラ峠は、カイラス巡礼路の最高地点で5600ｍを超えています。もう、一歩進むのに何度息継ぎをしたことか…。カメラを構えてシャッターを切る瞬間息を止めただけでもハァハァいってるくらい。

でもヤクは荷物を乗せてもスイスイと登って行けるらしい。あっという間に置いてかれました(が2、3週目は抜かしてやった)。

最初は50キロなんて歩けるのか？とも思ったのですが、一緒にコルラした仲間もいたし一人くじけるのはいやだったし、何より景色の美しさにのせられてなんとか完走(っていうのか？)することができました。２週目は勢いで１日１週したりもしましたし、３週目のドルマラ峠を越えた後にはこの旅初めて泣きました。何でって自分でもわからないのですが、徐々に朝日を浴びる峠を下っていると自然に涙があふれてきたんです。なんていうか色んなことがわかった気がしたんです。

でも、その色んなことのほとんどはもう忘れちゃいました。
だけど、肝心なことはしっかり覚えています。